三角形要素上で関数を補間した場合の誤差評価は、数値解析学の基本的な
題材の一つです。特に、有限要素法の誤差評価にとって重要なので、古くから
詳しく研究されてきました。もう新しいことは出てこないだろうと思っていた所、
一橋大学の小林健太先生が、小林の公式と呼ばれる画期的な公式を
精度保証付き数値計算を用いて見出しました。この公式からすぐわかることは、
三角形上の1次補間の誤差評価において本質的なのは、三角形の外接半径である
という事でした。
その後小林先生と協力して、この小林の公式の簡易バージョンを
「紙とえんぴつ」だけで証明したものを、論文として発表しました。
Kenta KOBAYASHI, Takuya TSUCHIYA A Babu\v{s}ka-Aziz type proof of the circumradius condition, Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics, to appear, DOI: 10.1007/s13160-013-0128-y
論文の結果はかなり画期的だと思いますが、やっている計算は(ちょっと複雑で
すが)初等的ですので、2013年前期の大学院の講義で論文の計算を詳しく解説し
ました。
講義ノート (1-20ページ)
(as of Sep. 9, 2013)
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